『中国武術』の山ほどある種類 ~速い武術・拳法編①
こんにちは。
暑すぎる日々が続き、半分溶けてしまいブログ更新が滞っていましたが💦
皆さんを見習って、頑張って書いていこうと思います。
よろしくお願いします。
今日は基本に立ち返り ❝中国武術(カンフー)とは何か❞ ということを考える上で基本となる『中国武術の種類』を挙げてみたいと思います。
中国武術はまだあまり知られていないのでイメージしずらいと思いますので、オリジナルの表演動画、等々も入れています。
多分にマニアックな内容となりますが、ご興味のある方はお付き合い下されば幸いです。
その前に〝中国武術〟とは、もちろん中国大陸で行われている武術のことですが、起源については諸説あります。
原始時代に人が狩りをする為に動物と戦っているうちに生まれたという説や、戦闘から生まれた、舞踏から生まれたなど様々です。
(発祥のことが書かれた書物があり、そのことについても以前少しだけ触れました▼)
そして、その中国武術の種類については、本当に沢山あるといわれています。
現存するものだけでも400種類以上あるといわれ、如何に中国大陸が広いか、歴史が長いかということがわかると思います。
そしてこれが〝正に中国武術の魅力の一つ〟となっています。
『種類が多いということは、個人の好みや体力に合わせて選ぶことが出来て、単調な運動にならずに飽きることがなく練習ができる、ということです。
また身体の使い方が異なる色々な武術を行うことで、身体の様々な機能が高められ健康促進につながります。』
これは、本当に中国武術の魅力であるといえますね。
そして、中国武術には様々な ❝分類方法❞*1があり、定義も色々なのですが、
今回は〝私の教室で教えている武術の種類の一部を、初心者でも分かるように私の解釈で分類してご紹介〟します。
(一般的によく使われる競技用の分類や中国地域による分類法は、初心者の方には難しい為、今回は本当に簡単に分けました。専門家の他の先生方には叱られそうですが😅あくまで私のブログ上での方法です。宜しくお願いします。)
中国武術 ~速い動作のもの~
まずは中国武術をざっくりと
❝速い動作の武術❞と❝遅い動作の武術❞に分けて考えてみます。
これは本当にざっくりしていますが、中国武術に初めて触れる方が分かり易いようにしました。
そして中国武術には、拳法*2以外に様々な武器がありますので、❝拳法❞と❝武器❞の2つに分けて見ていきます。
そして今日は『速い動作の武術 ❝拳法❞』をご紹介します。
速い動作の拳法
1.査拳(さけん)
中国山東省で生まれた拳法で、査密爾(サ・ミツヤ)というイスラム教徒が作った為、査拳と呼ばれ、別では査滑拳(さかつけん)とも呼ばれる(これも一説である)。
特徴は、直線的に打つ・蹴り・跳躍するなどの技をダイナミックに使うところにある。
今世界中で行われている「武術太極拳競技*3」の制定拳の元ともされ、青少年の体力作りに適切であるという体操的な一面もある。
(以前にもご紹介しましたが、査拳の表演を行った時の動画があります▼)
(最近行った査拳レッスンの様子も、記事にしています▼)
2.華拳(かけん)
中国では【精・氣・神】*4の、3つの要素を〝三華〟といい、中医では❝人体の宝物❞とされているが、練習を通してこの3つの〝華〟を強くするための拳法として、華拳と呼ぶようになった。
唐の時代に蔡茂(さいも)という人物によって作られた武術で、手足を大きく伸ばして技を繰り出す直線的な動きが特徴。
査拳と共通点はあるが、より更に手足を伸ばして振り回す動作が多いといえる。
(動画をお借りしました。出典:『airforceallie』▼)
3.炮拳(ほうけん)
又の名を「三皇炮捶(さんこうほうすい)」とも呼ぶ。
創始者は、明朝末から清朝始めにかけて、河北省の冀(き)県の著名な武術家である喬三秀(きょうさんしゅ)という人物である。
三皇とは神様のこと【天皇の伏羲(フッキ)、地皇の神農、人皇の黄帝*5】この三つの神様に因んで、三皇炮捶と呼ぶようになった拳法。
拳を打つ(捶:たたく)時に大砲のように力を発揮する為、❝三皇炮捶❞と呼ばれている。
(動画をお借りしました。出典:『Jorge Kim』▼)
4.少林洪拳(しょうりんこうけん)
中国河南省にある、少林寺のお坊さんが作った拳法。
創始者については定かではない。
1人で作られた拳法ではないようだが、少林寺武術の基本となる拳法であり、大洪拳と小洪拳の2つの型がある。
流派は南北の2つに分かれていて、特徴はスピードが速くて力強く、見た目の派手さはないがより実践的な拳法といった所にある。
(又々動画をお借りしました!出典:『ccktaichi111』▼)
5.黒虎拳(くろとらけん)
中国遼寧省瀋陽市の中国武術家、徐其成(ジョ・キセイ:徐言偉の父親)の師匠の姚法玉(ヨウ・ホウギョク)氏の兄弟弟子の奇振江(キ・シンエ)氏から学んだ拳法。
黒虎拳は元々少林派の武術で、黒虎穿林(クロトラセンリン)*6という拳法から成り立っていて、南拳の一種の ❝虎拳❞ とはまた違う動作の武術である。
その特徴は、虎のように力強く素早い勢いを取り入れた、伸び伸びとした動作を行うこ所にある。
両腕を真っ直ぐに回して、急に方向転換をして攻撃をしたり、後ろへ退きながら拳を打つなどの独特な技が多く見られる。
華拳などとの共通点もあり、青少年の体力・健康づくりにも役立つ拳法である。
(コロナ自粛中に、子ども生徒さんに向けてUPした❝黒虎拳❞の練習用動画です。50秒位から始めています。▼)
(その他に連環拳(れんかんけん)という、徐其成が作った長拳もあります。
父は中国では名の知れた武術家で、沢山の拳法を編み出しています。
以前に父のことも書いていますので、ご興味があれば読んで下さい▼)
以上、
1~5番の拳法は全て「相手との距離を取り手脚を伸ばして技を繰り出す〝長拳類〟」と呼ばれている拳法です。
中国武術の魅力は、こうした多種類の拳法の中にそれぞれの理論に基づいた特徴がみられ、各々に身体を使う技として大変面白いところにあります。
そしてここでいう『速い拳法』の定義ですが〝スピードを出しながら蹴りやパンチを行い、跳ねたり跳んだりして技を繰り出す連続動作の拳法のことを指しています。
これは主に無酸素系の運動となり、様々な部位の筋力を鍛えるほか、瞬発力、跳躍力、平衡力、柔軟性等を向上させることができます。
また、それぞれの拳法は身体の使い方が異なる上、かなり複雑な動きをするため、きちんとマスターするには、当たり前ですがそれなりの時間を要します。
そうした意味では、総合的な能力が必要となってきますが、
但し〝健康づくり〟を目的とした場合においては、各自の身体能力に合わせて多少スピードを落としたり、技を短くしたり省略したりして、個人に合わせて練習を行うことが可能です。
私の教室ではそのようにプログラムを作り、能力も年齢も違うといった様々な生徒さんの健康のお役に立つ武術のレッスンを心掛けています。
それでは、最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
次回も引き続き ❝速い拳法❞ のご紹介になりますが、また違う特徴のユニークなものをご紹介できればと思います(動画も、もう少しオリジナルの分をUPする予定です)。
またお付き合い下されば嬉しい限りです。謝々謝々!