〝中国武術・太極拳との再会〟故郷瀋陽での貴重な体験 ~父との絆

久々のブログ更新になります。
皆様、今年のゴールデンウィークはどの様に過ごされていましたか?
私はレッスン休暇の隙間を見計らって、故郷の中国瀋陽に帰省していました。
コロナ渦もひと段落した為、海外に自由に行き来が出来るようになったのは嬉しいことですが、そうはいっても国を隔てた家族に会いに行くのはやはり一苦労でもあります。
ですが今回の旅では、いつもとは違った貴重な経験をすることが出来ました。
一つは、父、徐其成(ジョ・キセイ)のお弟子さんの一人、万勇(マン・ユウ)氏と、これからの太極拳の普及について話が出来たことです。
万氏は幼少の頃から父の元で練習に励んできた、武芸に秀でた人物ですが、数年前から自分で創作した太極拳や氣功を研究・考案し、普及を行っています。
それは『万象(ばんしょう)太極』といって、一連のシリーズとして、太極拳や氣功といった様々な運動スタイルをとってプログラム化されたものです。

▲左側人物が、万象太極メソッドを考案・普及している、万勇(マン・ユウ)氏。
右、徐言偉。
そしてその〝万象太極メソッド〟とは、中国医学の経絡理論に基づいて、武術の動きを土台に身体の運動機能を考慮して作られたものであり、運動の苦手な人でも誰でも出来るように簡易化し、健康に特化したものとなっています。
その動作は機能性のみならず、ユニークで美しい動きを形成し、とても優れた内容のものです。
また、これからその万象太極メソッドを、中国での普及のみならず、万氏と研究会でチームを組んで日本での普及を目指して行っていきたいと考えています。
更に、度々レッスンを重ねてきた『徐式(じょしき)太極拳』も、本腰を入れて共に普及を目指していければと思います。
(▲徐式太極拳について、過去に掲載した記事です。)
そして、万氏とは以前からネットを通してこうした話は行ってきましたが、この旅で、事務所にて直接仕事の打ち合わせが出来たことは、とても有意義なことでした。
万氏は仏教徒でもあり信仰心の厚い人格も優れた方ですが、
「中国医学に基づいたオリジナルの運動プログラムを開発し、生徒さんの健康を共に培って普及していきたい」という強い信念と情熱があり、直にそうした話ができたことで、私も大変刺激をもらいました。
また、健康需要が益々高まるこれからの社会の中で、中国の伝統的な運動がもたらす効果や意義を、再確認した事柄でもありました。
更にこうした文化を通して、身近なところから日中の平和を築くことが出来ればと願っています。

それと、長くなりますが、もう一つとても嬉しかったことがあります。
これも、父の古くからのお弟子さんの一人、丛(ソウ)氏とのことです。
丛氏は、父に最も敬意を払って下さっている一人ですが、今回共に食事をし、武術での師弟関係の道徳の話や、父との想い出話などをすることが出来ました。
その中で、〝徐其成老師の武術をどこまでも追求する姿勢は本当に素晴らしかった〟との丛氏の話があり、そのことについて私は深い感銘を覚えました。
父は天が与えた武運を最大限発揮し、自分のみならず社会と周りの人々に大きく貢献してきたと、息子の私でさえ思います。
その姿勢は誰もが真似が出来るものではなく、尊敬に値すると感じています。
(▲併せて読んでほしい過去記事です。父のことを書いています。)
そしてその父も今は年老いて引退の身ではあるものの、一番弟子で妻である母は高齢になっても未だ子ども達に武術を教え、
また古今の弟子たちも武術への情熱を途絶えさせることなく、同じく練習と普及に励んでいるわけですから、
父から端を発した武術の情熱の火は、途絶えず灯されている状態であると感じます。
これは本当に大きなことであり、息子で一弟子として日本で教室を主宰している私自身も、父の意志を引き継いで、多くの方の健康に役立つ武術と太極拳を更に普及していきたいと、改めて想いました。


今回短い期間の滞在でしたが、少しでも親孝行できていたらと思います。
そんなこんなで短い期間ではありましたが、故郷の中国で中国武術と太極拳の魅力を再発見することができて、とても充実した休暇を過ごせました。
そして、こうした時間を持てたことには、本当に感謝しかありません。
(また、今回の瀋陽の帰省では、時間を見つけて久しぶりに街をブラブラしました。
折角なので、日本では珍しいと思われるだろう、故郷の写真をご紹介します。)

前から一度訪れてみたかったお店ですが、さすがに評判が良いのか、朝早くから沢山のお客さんが来店していました。

一番上に載っているお皿の料理は、瀋陽では超有名で〝腰花〟という炒め料理です。
食材は豚の腎臓です。

ランおばさん(欒孝麗:ラン・コウレイ)は、8歳の時から徐其成に武術を習い、70歳になる今でも子どもチームで武術を教えています。
その身体能力は父の追風刀の技を未だに軽々できるほど、素晴らしいものがあります。

中国ではこうした昔懐かしい風情が、ところどころまだ見られます。



いつか皆さんと一緒に、カンフーとグルメ旅行を楽しみたいものです!
久々に家族や父のお弟子さんに再開できて、本当に嬉しい感謝の一時でした。
私も沢山元気をもらったので、再び日本でのレッスンに、仕事にと、励んでいきたいと思います。
また一つ、どうぞ宜しくお願い申し上げます!
時刻為家人著想、我將繼續祈禱和平。
~家族のことを常に想って、平和を祈り続けます~
【徐其成中国武術研究会】
徐言偉(ジョゲンイ)太極拳&カンフーフィットネス教室:https://www.jyokanfu.com/