新しい風の時代に生きる子ども達へ ~前編・試合出場の想いで~
ご無沙汰しています。
もうすっかり春となってしまいましたが、久方振りのブログ更新になります。
ブログをやっていたことも忘れるくらい、本当に久しぶりなのですが 良かったらお付き合いください。
今回は、1月に行われたイベントの周回遅れのご報告と、併せての回想録、そして新しい時代とされる現在に生きる子ども達の未来について、考えてみたいと思います。
宜しくお願いします。
去る1月21日に、毎年恒例の京都府武術太極拳大会(中国武術:カンフーと太極拳の大会)が開催されました。
コロナ渦の中、昨年に引き続いての無事なる開催でした(暫く休止期間もありましたので、これは嬉しいことです)。
今年は私の教室からは、初めて京都府大会に参加する生徒さんも併せて、13名の生徒が参加しました。
出場した競技種目は、小学校1年生から中学校1年生まで、順に、カンフー体操(パンダ長拳)1.2、入門長拳(ドラゴン長拳)、初級長拳、そしてB長拳です。
いつもは武器で参加する生徒もいるのですが、今回は拳法のみの出場となりました。
当日は例年通り朝早くから集合し、冷えた体育館にて準備体操をして体を温め、試合のコートに直接入っての事前練習です。
京都は底冷えがするので、この日もとても寒かったですね。
さあさあ、試合のコートはいつもの教室とは様子は違うのですが、どうでしょうか?
緊張するかな???
試合会場に来ているという感覚を、肌身で受け止める瞬間です。
良い緊張感を感じてほしいところです。
そして時間になったら、自分が出場する順番を確認して、いよいよ本番です。
当然、一人ずつ出場していきます。
(▲中国武術の礼『抱拳礼(ほうけんれい)』をして、出場します。)
誰も助けてはくれません。
頑張って!
良く頑張った!!
(▲自分の出番が終わり、点数発表を待っているところです)
力一杯、今までの練習の成果を発揮しました!
思ったような成績は出たかな?
メダルを取った選手もいましたね。
皆お疲れ様でした。
試合に出て感じることは、各々あるでしょうね。
特別な時間の中で、成績以外にも何か得れたでしょうか、、、?
そう、そしてそこが “試合”の醍醐味なんですね。
当たり前のことですが、試合のコートでは最初から最後まで一人で行わなくてはなりません。
誰も手助けしてはくれません。
緊張するも、勇気を出すも、失敗するも、成功するも、全て自分の責任なのですね。
なんて良い場所なんでしょう。
人生の哲学が集約されている!と大げさに思うのは、私だけでしょうか、、、笑
そしてこれは、まだ小さい子ども達にとって、意識するかどうかは別にして大変良い経験になります。
試合で感じたことや経験を繰り返して、逞しくなっていくのです。
また試合は、舞台裏で自分がとってきた姿勢を映し出す場所でもあります。
頑張って練習してきた選手は、自分なりの成果を得て(これは何も数字上の成績だけのことではないのです)、
また、さぼってきた選手も自分なりの学びを得ます。
また、さぼるのは別に悪いことではありません。ただ自分が試合で結果という責任を取るというだけのことなのです。
これは人生での大舞台、例えば受験とか、就職とか、結婚した後の生活とか、、、?
そうした節目の舞台や規模が違うというだけで、きっと同じようなものなんでしょうね。
また大舞台の予行演習的なことも、小さな頃に体験した試合などで得られるでしょうか。
そして、人生という長い目で見ると小さな経験かもしれませんが、子ども達にとっては大きな経験として、一つずつそんなことを繰り返して、自分なりの哲学をきっと?見出してくれていると思います。
そしていつも思うことですが試合と比べたら、先生として出来ることは限られていて、たいして無いということですね。
私はただ教室で子ども達が少しでも上達してくれるように、技術や心構えを指導しているに過ぎません。各子どもの個性に合わせて工夫した指導を心掛けてはいますが、無理やり芽を引っ張って成長させる訳にはいかないので、「見守る、教える」のただ繰り返し、極端なことをいうとそうなるのです。
それに比べたら、試合というのは一瞬にして大きなことを教えてくれる凄い場所なのです。
例えば、
・「1年間練習してきたのに、なんで失敗したのかな?」→「緊張とかに対して、自分に弱いところがあるのかな?」
・「頑張って臨んだのに、成績が伸びなかった。後から自分の映像を見ても思っているように上手くできていない」→「これからはもう少し頭も使って、考えながら集中して練習してみよう」
・「頑張って練習したのに、1位にはなれなかった」→「自分より努力して練習している子がいた。また、時の運もあるのかな?でも次こそ頑張ろう」
・「なんで上手く出来なかったのかな?先生が教えてくれていないからかな?」→「映像を見たら、いつも先生がうるさく指導してくれたいたところが出来ていない。聞いてなかったな。」
・「上手くいった!思うような点数も出たし嬉しい」→「今回は自分が頑張ってきたことの成果が出た。頑張っていたら成績につながることがあるんだな。」
などなど、、、です。
これは、先生が教室で、「こうなったらああなるよ!ああなるからこうしなさい!」と口を酸っぱくして言っても一向に伝わらないことなんですね(もちろん、今まで散々言ってきました)。
そしてこのことは体験して初めて色々わかり、子ども達おのずから学ぶことが試合では盛り沢山あるということで、誰かから聞いたり見たりするよりも‶自分で経験して感じた〟ことこそ‶本当に身につくこと〟なんですよね。
上手くいった、いかないかは別にして、そうした経験は何事にも代えられない宝となります。
そしてこうしたことを繰り返して、螺旋階段を上るように、少しずつ少しずつ 子ども達は逞しく成長していくのでしょう。
それから、このように経験から学ぶ生徒が殆どなのですが、そんな中、稀ですがどうしたら上手くできるようになるのか?自分から聞いてくる子もいます。
主体性があるそうした生徒は当然ながらメキメキ伸びますが、そうなるには、やはりその生徒の性格や習い事との相性、どこかで培ってきた経験値ということがあるように思います。
また、成長の度合いは物事によって人それぞれなので、先に成長しているように見える子を見習ったとしても比べるものでもないものです。
また、皆にそうして主体性を持って取り組んでもらえるようにするためにも、私自身も指導方法をまだまだ磨かないといけないという課題でもあり、いつも子ども達に先生の立場であるこちらが学ばせてもらっています。
それにしても、子どもの成長って、本当に面白いものです。
それぞれのペースも価値観も違って当たり前で、違っているからこそ色々な価値観が生まれて発見もあり、世界が豊かになりますね。
これはすごく楽しいことです。
試合での子ども達との想い出が沢山あります。
試合や発表会を通して子ども選手たちも、先生の立場としての私も、沢山のことを勉強させて育ませてもらいました。本当にありがとうございました。
さあ、長くなってきたので、一旦この話はここまでにします。
後編は、検定試験のことと、タイトルの「風の時代」に関連付けて、子ども達の成長を考えてみたいと思います。
良かったら、また次もお付き合いください!
ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました。謝謝!!
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・女子パンダ長拳
一位 加藤翆悠
・女子ドラゴン長拳
一位 加藤翆悠
・男子パンダ長拳
一位 斉藤蒼衣
・男子ドラゴン長拳
一位 斉藤蒼衣
・男子初級長拳
三位 長谷和航
・女子初級長拳
一位 林莉央
(掲載が遅くなりまして、ごめんなさい!)
「入賞した皆様、おめでとうございます!
思うような成績を出せなかった選手も、大変良く頑張りました。
今回の経験で学んだことを、また次につなげて励んでくれれば 嬉しい限りです!
本当にお疲れ様でした。」
徐其成中国武術研究会
代表:徐言偉(ジョ・ゲンイ)
公式サイト:https://www.jomember.com/