中国故郷のおすすめおやつ
今秋のお題「好きなおやつ」
今日はカンフーから離れて、故郷 ❝中国のおやつ❞ のご紹介をしてみたいと思います。
私が小さい頃から良く食べていた、お勧めのお菓子です。
お付き合い下されば幸いです。
月餅
中国のおやつの代表格といえば、皆さんご存じの月餅があります。
(写真出典:百度百科)月饼(中秋节的时节食品)_百度百科
ちょうど、先日の10月1日が中国での中秋節にあたり、月餅を食べる日でした。
月餅はその名の通り、昔はお供え物として十五夜の月を鑑賞する慣習の中秋節に食べられていて、円満と幸福の象徴でもあります。
今は食べたい時に普通に食べられる一般的なおやつですが、中国本場の月餅は中身が少し変わってるものが多いです。
日本では中身は大体、餡子と決まっていますが、中国ではアヒルの卵の黄身を入れたものやナツメ餡、クルミやハスの実、ココナッツ、 松の実、などのナッツを入れた『五仁月餅』などがあります。
日本で良く見かけるものと違って、大きさも10センチ位ある大きなものも多く、それを切り分けて皆で少しづつ食べたりします。
こうすると、色んな種類の月餅を食べることができるのでとても楽しいです。
ご存じ方もおられると思いますが、横浜で有名なレストランで販売されています。
私はこちらでよく買います。美味しいですよ~▼
麻花
麻花(マーホア)
これもとても有名なお菓子ですが、小麦粉と砂糖を捏ねてねじねじして巻き、油でこんがりキツネ色に揚げたものです。サクサク香ばしくて、甘くて美味しいスナック菓子です。
小麦粉を使ったお菓子では最も古いものという説があり、麻の花に似ていることから名が付けられたそうです。
天津名物の大麻花というお菓子もあり、大きいものでは50センチ程の長さで、胡麻やクルミなどが練りこまれています。
日本にも伝わってきていて、長崎では「よりより」「唐人巻(とうじんまき)」と呼ばれるお菓子として愛されているようです。
私は日本製のは食べたことがないのですが、アマゾンでも販売しているようなので、今度食べてみようかなと思います。
(写真出典:百度百科)麻花(中国特色小吃)_百度百科
糖葫芦
次に、小さい頃にしょっちゅう食べていた糖葫芦(タンフール:サンザシ飴)というお菓子があります(氷糖葫芦:ビンタンフールとも言います)。
(写真出典:百度百科)冰糖葫芦(中国传统小吃)_百度百科
これは私の故郷の東北地方で良く食べられているおやつで、山査子の実が5~6個串刺しになって砂糖でコーティングされているというものです。
日本でいうリンゴ飴みたいなものですが、山査子の実はもう少し小さいので見た目はみたらし団子の様です。
なんと、宋の時代から存在していて、山査子の酸っぱさと砂糖の甘さが絶妙な昔から子ども達に大人気のおやつです。
調べてみたら、楽天で変えることがわかりました!▼
ネットでも結構話題になっているみたいなので、ご存じの方も多いかも?
お勧めの懐かしい味です。
▲最近は色んな果物を糖葫芦にするみたいですね。お菓子も日々進化してます。それにしても、これ凄いな~(写真出典:百度百科)
花生糖
花生糖(ファーシェンタン:ピーナッツ飴)
これも有名どころなので、皆さん食べたことがあるかも知れませんね。
ローストしたピーナッツを、水飴や砂糖で練り固めたというシンプルなおやつで、いわゆるナッツバーというやつです。
胡麻やクルミ、ドライフルーツを使ったものや、アーモンドを使った杏仁糖もありますが、カリカリの食感と程よい甘さがやみつきになります。
こちらは楽天でも多くの店が販売していますが、先程の重慶飯店のネット通販でも購入できます。
ちなみに、花生酥 (ピーナッツクッキー)という別種類のお菓子もありますが、台湾ではパイナップルケーキと並ぶぐらいの人気のお土産になってるみたいです。
艾窩窩
伝統的な宮廷料理のお菓子ですが、艾窩窩(アイウォーウォー、又は愛窩窩)という、とても美味しいおやつがあります。
(▲写真出典:北京観光)
http://japan.visitbeijing.com.cn/a1/a-XE31XO2D7ECCC14B4E5694
まるで雪の玉ような見た目ですが、もち米の粉を蒸して柔らかくして丸めた中に、こし餡や、炒った胡麻やクルミ、干し果物などを入れて、外側にココナッツの粉をまぶして出来ています。
鳥の巣に似ていることから、窩窩(窩:ウォー:巣)という名がついたとのこと。
イスラム風味のお団子ですが、北京を代表するお菓子で、明の時代に生まれてから皇帝の大好物として食されていたものが、庶民にも伝わり好まれるようになったとのこと。
これがフワフワしっとりしていて、甘くてとても美味しいのです!
豌豆黄
豌豆黄(ワンドゥホアン)
これも宮廷料理の満漢全席の中に出てくるお菓子ですが、もともと春から夏に掛けて北京の庶民が好んだおやつで、縁日などでよく見られます。
旧歴の3日3日、上巳(じょうし)の節句に食べられる習慣があり、春の到来を告げるお菓子として明の小説にも記載されていたらしく、宮廷のデザートにもなっていました。
作り方は、エンドウ豆の皮をむきドロドロのペースト状になるまで良く煮てから、白砂糖を加え冷まして固めます。
日本の羊羹に近いでしょうか。
何度か作ったことがあるのですが、結構簡単に出来ます。甘くて口の中で溶けてしまう感じで美味です。
小窩頭
また宮廷料理のお菓子ですが、小窩頭(シャオウォトウ)というものがあります。
一言でいえばトウモロコシの蒸しパンですが、トウモロコシの粉を練って円錐形にし、下部に穴を開けて蒸したおやつです。
日本のお菓子でいえば、形だけでいえば❝とんがりコーン❞のような感じです。
それよりもう少し大きいものですが、砂糖の甘味が加わったもちもちとしたミニ饅頭といった感じでしょうか(窩頭:尖がった饅頭という意味)。
だけど、トウモロコシだけで作られた窩頭はもともとは一般庶民の食べ物で、硬くパサついていて、そんなに美味しいものではなかったようです。
ある日、とてもお腹が空いたかの有名な西太后が、農民が差し出した窩頭をとても美味しいと食してから、宮廷に帰って料理人に作らせたものが小窩頭の起源だそうで、
料理人は、普段はそこまでお腹が空いていない西太后に庶民の食べ物を出したらこりゃまずいだろうと思って、工夫して美味しいお菓子に作り変えたそうです。
西太后に出したレシピでは、トウモロコシ粉、大豆粉、白砂糖、甘い香りのキンモクセイ(佳花)を捏ねて蒸したもので(ペーストした栗や、もち米を練りこんだとの説もあるみたいです)、上品に小さい窩頭の形になっています。
中国ではあちこちで食べられますが、北京の西太后の別荘地だった頤和園(いわえん)のレストランで食べた小窩頭が、特に美味しかったのを覚えています。
でも、これも日本では、中々食べられない味ですね。
(出典:中文百科)小窩頭:食品特點,營養成分,生產製作,食用指南,主要功效,飲食文化,正宗小窩頭,“_中文百科全書
こうしたおやつの軽食は、中国では❝点心❞とも呼ばれています。
現在中国で流行っているお菓子事情は詳しくは知りませんが、昔からの伝統のものは元の素材を大切にして作っていて素朴で、添加物の少ないおやつが多かったように思います。
あと日本と違って、お菓子であっても中国のものは少し香りが強い材料を使うものが多いです。料理でも、八角とか山椒系のスパイシーな漢方系の調味料をよく使いますし。
比べて、日本のお菓子は優しく繊細な味が多いような気がします。
おやつであっても、文化が違えば見た目も内容も結構違ってくるので、改めて考えたら面白いものです。
私は両国どちらのお菓子も大好きですが、中国のおやつは中々食べられる機会がないのでやはり恋しくなりますね。
そして、今回はカンフーとは関係のないおやつの話でしたが、
でもそもそもカンフー(功夫)の語源とは、中国武術に限らず広く使われていて、『時間をかける、鍛錬する』という意味なのですから、美味しくなるように職人が工夫を凝らして作り出したお菓子達は、とても奥が深く洗練されていて、カンフーが見られますね。
功夫(カンフーまたはクンフー、繁体字: 功夫; 拼音: gōngfu; 粤拼: gung1fu1、北京語発音: ゴンフ、英語: kung fu)とは、
中国のその他の地方では、中国武術に限らず広く使用される用語で、中国武術で重要視される「練習・鍛錬・訓練の蓄積」、また、それに掛けた「時間や労力」の意である[1]。
「功夫が足りている」のように用いる。茶の場合は「工夫茶(功夫茶)」などと使用される。
(出典:功夫 - Wikipedia)
また、こうしたお菓子は自分で作ることも出来るので、たまに時間をかけて作ってみたら楽しいだろうな~と思ったりもします。
でもやっぱり・・・、祖国に帰って、ゆっくりと懐かしい味を堪能したいものですね。
コロナがなければな~。
仕方がないので、今は夢の中で食べておきますかね~( ´艸`)
なんか最後はまじめ臭くなってしまいましたが、生来食いしん坊なので、カンフー記事より熱が入った感じになりました。
でも皆さんも機会があれば、中国の伝統的なおやつを食べてみて下さい。きっと気に入るものが見つかると思います!
それでは、長々とお付き合い頂き、ありがとうございました。
謝々謝々!