太極拳の体重移動で『脚のバランス力』を鍛える
今日の太極拳レッスンでは、左右への体重移動をしてから片足を上げて、もう一方の足で支えるという『動的バランス』のトレーニングをしてみました。
最初は生徒の皆さんは、片足を上げるにつれて軸足が少し震えて、体全体が不安定な状態となりました。
その後、この方法を何度か繰り返し練習したら結構安定して、バランス感覚が戻って来ました。
これで、自分の脚の体重を支える力、筋力がどの位あるのかをはっきりと感じることが出来たと思います。
バランス感覚には ❝静的バランス❞ と ❝動的バランス❞ の2つがあります。
簡単に言えば「静的バランスは動かない状態で姿勢を維持する機能」です。
そして「動的バランスは動きながら転倒しないで姿勢を維持する機能」です。
太極拳の動きではゆっくりと重心を移動しますので、脚の筋肉や骨、神経が刺激され、特に動的バランスの機能が改善できると思います。
その行い方は・・・
①両足を肩幅より少し広く開き、つま先を真っ直ぐ前に向けて、足底を全面着地にして立つ。
同時に、両膝を少し曲げ、左右へ少し開く。
そして股関節を凹まして、少し前傾姿勢を取る(こうすることで、膝と大腿四頭筋などの筋群への体重の負担を少なくすることが出来る)。
そして、重心を体の真ん中に置く。
両腕を少し曲げて、両方の手の平を上に向けて、お腹の前で腕全体で丸い円の形を作ります(正面図1)。
②体軸(重心)を意識して、ゆっくりと左膝を伸ばしながら、右の膝を曲げて、右脚に全ての体重(重心)を乗せて(正面図2)、
同時に徐々に左足の踵を上げて、地面からつま先を離し、右脚の踝の横に寄せて(正面図3)、
膝を曲げて大腿を水平にして上げ、右脚(膝を曲げたまま)を軸足にて支えて、静止する(正面図4)。
この時は右脚の軸足と体は、真っ直ぐになっています。
③上げた左脚を再びゆっくりと右脚の踝の横に下ろし(正面図5)、
真横へ伸ばし、この時は脚首を曲げて、踵を着地して、そして足裏全体を着地する(正面図6)。この時は体重は右脚にあります。
④正面図②~⑥まで逆の動きをする。
このように何回かこれを繰り返し練習すれば、結構、動的バランス感覚が鍛えらます。
これを太極拳の連続動作(套路:とうろ*1)を練習する前に行っておけば、バランスはかなり安定してきます。
これと同じやり方で、前後の体重移動を行う方法もあります。
そして、この基本練習はどの太極拳にも通用するので、太極拳をされている方は知っておかれると良いかと思います。
そして、『バランス感覚』は〝自分で感じることがとても大切〟だと思います。
転倒防止にもなり、自分の身体の状態(歪みとか、運動不足や筋力不足)を測る目安にもなります。ロコモティブシンドローム*2の予防にもなり、練習をすることで改善されて行き、ちょっとした達成感も得られます。
心と身体のバランスも取れて来ると思います。
ご興味のある方は、お勧めなので是非やってみて下さい。
今日は、「太極拳は重心移動の動作からなる運動で、脚の動的バランス感覚がかなり鍛えられる」というお話でした。
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