太極拳とカンフーのブログ『天天練功夫』

ある指導者の、あれこれ武道に関する日記です

経験という勝利のタネ

 

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〝スポーツの本来の目的は試合に勝つことではなく人生の勝利者になること、その為の訓練の一つがスポーツである〟

過日、あるスポーツの一流選手だった方が、そのようにテレビで語っておられたのが印象的でした。これは、苦しい立場に立たされてしまった、全てのスポーツ選手に向けての励ましの言葉でした。

 このコロナ禍において、様々なスポーツイベントが延期や中止となり、大変悔しい思いをしている人々が沢山おられます。ですがこうした辛い出来事でも一つの経験として、今後の人生に活かしていくことが大切であるという内容でした。

これを綺麗ごとだという方もおられるかも知れませんが、俯瞰した視点から考えれば、その通りだと思います。

大変なことがあればその時は感情的になり、眼の前のことに対処することに精一杯で困難な出来事を恨んだりもしますが、絶えず流れる時間の中でこうした事をどのように捉えて行動するかで、全く違う未来になっていくと感じます。

 

またこの様な時には、他者の痛みを推し量る人の優しさや温かさといった良い面を知る機会も得ますが、同時に人間の悪い面も丸出しになり映し出され、また自らの未熟さや性と対峙していかないといけない苦しい思いもします。

ですがそうした経験もあるからこそ、気がつくことも沢山あるとも感じます。

ましてこのコロナショックは、今生きている私たちが経験したことのない未曾有の出来事であるがゆえに、人を早急で強烈に成長させてくれる物事でもあるのではないでしょうか。大げさかも知れませんが、まるで魂に負荷をかけてトレーニングをしているかのようです。

 

そして困難を乗り越えた時には、一つ大きく成長できたあの経験があったからこそと、先ほどのスポーツ選手だった方が言ったように、胸を張ってそう言える時が来るのではないでしょうか。

どんなことがあっても、自分の人生に責任を持って挑んでいくことが幸せのタネを植えていくことになる。誰もが人生のアスリートであって、勝利者になるとはそういうことなのかなと理解しました。

 

このコロナ騒動に伴って、又他にもまだまだ色々なことが起こってくるかも知れません。

ですが今できることを悔いなく行って、人事を尽くすことで拓ける未来であると、希望をもって謙虚にしなやかに臨んでいけたらと思います。