太極拳とカンフーのブログ『天天練功夫』

ある指導者の、あれこれ武道に関する日記です

萬紫千紅 ~子ども達から見えてくること

『萬紫千紅』
 
中国の言葉で、「萬紫千紅(ばんしせんこう)」という言葉があります。
萬紫千紅とは、〝さまざまな花が色とりどりに咲き乱れている〟という意味です。
私はこの言葉のもつイメージがすごく好きで、カンフー教室に通ってくれている子ども達を見ていて鮮やかに目に浮かぶことがあります。
 
子どもというのは、生まれた時から各々個性が異なるようです。
その後、環境によって作られる部分もあると思いますが、元々各人にそなわっているものがあるようで、性格的な長所・短所も異なり、得意・不得意なこと、体力や身体能力、そして感性も異なります。
なので、各個性を考慮して武術の指導をして行くのはいうまでもないことですが、その上でも伸びるスピードの差というのは当然のように現れてきます。
なるべく皆が同じ様に成長して欲しいと願うのですが、限られた環境や時間の中では現実的に難しい面もあります。
そして、そんな時は萬紫千紅を思い出します。

人間はそれぞれ違う、器の大きさも違えば形も違う。持って生まれた性格も特徴も違う、環境も違う。得意な能力の分野も違えば、発揮できる場所も場面も時期も違う、、、。

だから本来は、誰かと誰かを比べてみて、同等であって欲しいと思う必要なんてないのでしょうね。
例えば、試合に出てみて入賞することもあれば出来ないこともあるでしょう。上手くいかなかったら悔しい思いもするでしょう。
ですが結果がふるわなくても、冷静に考えてみれば何も問題はありません。
競技というものを通して切磋琢磨し、他の選手の長所を見習ったりすることは非常に重要なことですし、結果を出すということは自信にもつながります。
でも成績や結果以外に何が得られるかは人それぞれ違うのですから、それはそれで良いのではないでしょうか。
平等に与えられた機会の中でチャレンジしてみて、例え結果が思うようなものでなかったとしても、様々な発見があるだけで、そこには次に繋がる課題が見えてくるだけです。
イメージ 1自分の何が良くなかったのか、良かったところも含めて検証して、また練習してチャレンジすれば良いだけなのです。
感情的になると他者と下手に比べてコンプレックスを持つだけですが、挑戦したことやどれだけ頑張れたかということを各々に評価することが、とても重要なことだと思っています。
 
子ども達には、成功も失敗も含めた様々な経験を通して、自分という個性を知って長所を伸ばすことを大切にして欲しいものです。
 
そういうと、のらりくらりの自己満足といわれそうですが、
でも、試合に行くとなるとどうしても熱くなってしまうのですから、、、
それ位の冷静さで様々なことにあたっていきたいと思うのです。
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