武術と健康②
現在、行なわれている武術には二種類の形式が存在しています。
一つは競技武術です。
競技武術は言葉の通り、武術の技に優れた人、選手達が集まって、技の優劣を競い合うことです。
当然、高い技術を得るには協会で定められた基準にそって、厳しい練習しなければなりません。そしてこの厳しい練習の期間は決められています。ずっと練習のみしていて競技大会に出ないというわけではなく、例えば一年練習して競技大会に出るとか、半年練習して大会に出るとかなどです。
要するに競技大会に出ることは最終の目的となります。
ではこのような練習は健康に良いでしょうか。ある程度まではいいですが、度がすぎると怪我をしてしまうでしょう。
動き(脚の高さは低くしないと点数が引かれるとか)も制限されます。競技大会ですから、一定の水準がないと競技にはなりません。太極拳でもそうです。
もう一つは健康ための武術です。
健康を促進するための武術はこれとまったく違ってきます。
やっている内容は同じかもしれないですが、運動量や動き、技術のレベルなどそれぞれの状況に応じて調整できるわけです。同じ動きを百年やっても別に問題ありません。脚の形が高くても別にいいじゃないですか。覚えられなくても別に、先生ともう一度すれゃ済むわけです。
ここで分かりました。上の二つの形式が存在していると、だから何ですか。
別に問題ないですが、しかし、健康のためにと思って始めたカンフーや太極拳が終いに競技大会に出ることになった、そして厳しい練習を・・・嫌なのに。
違和感が出たのはここだと思います(心理的なストレスも大きいです)。
僕は競技大会に出ることは、とても良いと思っています。
しかし競技大会の基準で健康維持するのはどうでしょうか。ちょっとずれがあるのではないでしょうか。
一番良いのは健康維持のレベルで暫くして、よしこれが面白い、もっとやりたいと言った状態になった時に競技大会に出て勝負したら気持ちが良いと思います。
そして自分も納得するでしょう。今年はアカンだった、脚もちょっと低くすれゃ良かったとか、やるべきことがはっきりと分かってくるはず。
これから是非目的をはっきりしましょう。目的を途中から変えることもできます。
是非いろんな武術を楽しみましょう。
お待ちしております。
徐其成中国武術研究会/徐言偉・公式サイト➡ http://www.jyokanfu.com/