武術と健康①
武術と健康はまさに表裏一体であります。
健康とはさまざまな解釈や定義がありますが、簡単にいえば体が良い状態にあるということです。
そして武術をするにはまず体が良い状態でなければいけません。
このことをはっきりさせることは、怪我の防止や学ぶ人の目的などに非常に大事なことだと思います。
健康のために武術をされている人は格闘の技術を別として、体の各機能をバランスよく保つことが大事です。
武術のために武術をされている人は、この上で格闘の技術を大事にしなくてなりません。当然運動の内容や運動量などが違ってくるわけです。
このような話を聞いたことがあります。
70才ぐらいのお婆ちゃんが初めて太極拳をしたとき、厳しい練習をさせられて、そして健康のところか過労で体を壊してしまったそうです。
また武術に関する書物も、いつも健康のことと格闘の技術とを一緒に書く場合が多いようです。これでは読むほうに誤解を招きやすいでしょう。
しかし指導者としては両方を知らなければいけません。なぜなら、武術の原点は戦いの技術だからです。
もう一度原点に戻って見てみましょう。
きっといろんな発見ができると思います。
例えば、動きを説明するときに筋肉の動きや健康効果を説明するより、実際にどう使うか動きを見せたら(ゆっくりと本気で技をかけるのではなく)、大変面白く、強い印象が残ると思います。