太極拳とカンフーのブログ『天天練功夫』

ある指導者の、あれこれ武道に関する日記です

演武と演舞

演舞とは踊りのことで、音楽もあり、動きの美しさを表現するものだと感じています。

目的ははっきりしていて、やるほうも、見るほうも通じ合うところがあります。

要するに踊りは体を使って、いろんなものを表現するのが目的であると思います。

勿論ほかの目的もありますが、全て美しさを表現するというところから出発しているではないでしょうか。


しかし、武術の場合はどうでしょうか。

武術も体を使って、その美しい動きを表現しているでしょうか。

このように考えますと、踊りの中にも武術の動きがあります。

例えば、中国の京劇とか、日本では剣舞とかがあります。

まさに武術の動きの美しさを表現しているわけです。

では両者の違いはどこでしょうか。


私は思うには演武は表現する、また見せるというものではなく、自分を鍛錬し、戦えるように準備しておき、その結果、動きがきれいになったものです。

決して美しく表現するために鍛錬したものではありません。

見る人はいてもいなくても、関係がありません。

見る人にどのようなイメージを与えたかは別として、しているほうの内容は全く違うのです。

このことをはっきりさせることによって、套路(型)というものが少し理解できて、体の使い方もはっきりしてくると思います。

しかし今の套路競技では、もっぱら演舞のような感じがします。

違和感はそこからだと思います。